Forum CND –8月29日 木曜日
フォーラム5日目、今朝の祈りはビジテーション管区によって、真の変容に導かれるために、聖霊の賜物が与えられるように祈った。
今日1つ目の話は「相互文化的、相互世代的な出会いの中で、アイデンティティを脅かすもの:橋渡しの方法とは?」について、マリー・クレア・ルファガリ氏が話した。マリー・クレアはまず相互文化を生きるとは分かち合い、交流であると述べた。私たちが社会活動を行う時に“力関係“にショックを受けたり、難民が無力さを感じたりしてそこにショックや衝突を感じることがある。そのような時、自分の殻に閉じこもってしまいがちであるが、私たちが相互文化を生きるためには、まず耳を傾け、相手がどのような背景の中にいるのかを理解することが大切であると述べた。
2つ目の話は「私たちの精神、関係、実践、政策を脱植民地化すること」というテーマでジャンヌ・マリー・ルジラが話した。ジャンヌ・マリー氏ははじめに、ルワンダ出身の自分の歴史を語られ、その中で受けた傷と癒しの体験について語られた。ジャンヌ・マリー氏がベルギーで、ネットワークを利用するために通ったカフェでの体験についてである。自分は「黒人だから、無償では何も与えられないのだ」と思い込み、「戦わねばならない」という先入観を持っていたと話された。また、黒人である自分がカフェの給仕に冷たく扱われた時、最初は人種差別を受けていると考えていた。しかし、同じ人がすべての客に冷たい態度を取っているのを見た時、それは相手自身の心の傷からきていると分かり、そこにジャンヌ・マリー自身が誤解していたことに気づき、自責の念が起き、同時に傷を負っている者同士としての憐れみから、自分の心の傷が癒されるのを感じたという体験を話して下さった。またジャンヌ・マリーは、今回CNDに招かれて、癒された体験についても共有された。ジャンヌ・マリー氏は、CNDが脱植民地化の歴史に向き合い、CNDのなかにある傷を意識化する過程を一緒に歩み、ジャンヌ・マリーが自らの体験を分かち合うことを通して癒されたことに気づいたと語った。教皇フランシスコも今日の教会は「野戦病院の様に傷を癒す教会でなければならない」と述べている。人は自分の傷に気づき、傷のうちに働く神の恵みに感謝するというプロセスを歩むことが多い。そしてまた、人は傷ついたもの同士として愛し合うこともできる存在であるとも語られた。
午前のセッションの終わりには、参加者からコロナ感染者が確認されたとの知らせがあり、運営委員会は参加者に必要な予防措置と対処方法について説明を行った。
午後は「相互文化性」「相互世代性」「交差性」の3つのワークショップが行われ、全体会ではそれぞれの内容が共有された。「相互文化性」では、まず一人一人に耳を傾け、相手を知り、相手の人生の一部になるように共に働くことが大切であると分かち合われた。「相互世代間性」では、世代の異なる人々が対話し、お互いに尊重するという視点で、共にマリアとエリザベトの精神を生き、双方の英知を生きることが豊かさにつながると分かち合われた。私たちはCND会員として、次の世代にイエス・キリストの福音と聖マルグリット・ブールジョワの霊性を渡していくために、CNDとアソシエートがお互いに歓迎し合いながら、それぞれが置かれた場で責任を果たしながら生きていくことの大切さが分ち合われた。「交差性」では、人間にとっての一番の障害は、人に対して壁を作ることであり、人間は自分のなかにある特権から発言する傾向があるので、自分の特権を意識する必要があると分かち合われた。
ジャンヌ・マリーは、明日、相互世代性についてのパネルを行うと呼びかけた。
夕食後のソーシャルでは、バイオリン四重奏が行われた。